【時給2500円!?】お金が貰える合同説明会に潜入してみた。

こんばんは。べる(@belltea910)です。

 

 

 

さて、今回はタイトル通り、合説のお話です。

夏を過ぎたあたりから、合説のはがきがすごく来るんですよね。

 

「この夏で就活を終わらせる!」

とか、

「最後の夏休みは遊んで終わろう!」

といった煽り文句が混在する中、気になる文面が。

 

「来場者の方には交通費3000円プレゼント!」

 

お金が絡むと興味を惹かれます。

なんぞこれは?と思い裏面も見てみると、

 

「当日受付でこのDMを提示してくれた方には図書券2000円分プレゼント!」

 

つまり、行くだけで5000円もらえるってことか。

いやいや待て、美味い話には罠があるはず。。。

 

「どんな会社が集まるんだ?」

「どんなやばい人事がくるんだ?」

「どんな学生が集まるんだ?」

 

 

疑問も尽きない合説ですが、行かない事には疑問も解消できません。

つべこべ言わず、行ってみました。

 

 

 

 

1.大まかなイベント概要

 

企業ブースが20社弱あり、説明を聞いて回る。

ここまでは普通の合同説明会でした。

 

リク〇ビやマ〇ナビなどの大手系合同説明会に行った事は無いのですが、

参加企業を比較すると規模はだいぶ小さいものかと思います。

 

1ターム(企業の1回の説明時間)は30分程度で、イベント全体は4時間半でした。

 

企業の説明を聞くと、最後に学生は自分の大学や住所などを書いた自己紹介シートを渡します。

同時に、学生の持っているスタンプカードにスタンプを押してもらえます。

このスタンプを最低4つ集めないと交通費も図書券も支給されない仕組みでした。

 

入退場は自由ですが、景品の引き換え出来る時間は参加者の受付時間ごとに異なっていました。

 

 

開場が13時、終了が17時半でしたが、

13時以前に来た人は16時半から引き換え可能、

それ以降に来た人は17時半から引き換え可能、というシステム。

なので、 最速2時間で4企業の説明を聞いてスタンプを4つ集め、5000円もらって帰る、とかはできないようになっていました。

 

それを許してしまうとただの5000円配布会になってしまいますもんね。

 

2.現場感覚

 

自分の視野を広げるという意味ではとても良かったと思います。

集まっている会社さんも、福祉サービス、パチンコ、飲食等、これまで全く見ていなかった業界ばかり+知らない会社ばかりでした。

 

説明も、当たり障りのない内容でした。

怖いお兄さんが居たりとか、

グラマラスお姉さん人事に誘われてついていった席が入社強制送還席だったとか、

なんてことはありませんでした。

 

「お金で釣らないと集まらない会社説明会」感はなく、総じて普通でした。

 

一つ気になった所とすれば、説明会を外注している感満載のブースがあったこと。

よく見ると、A社の説明ブースで説明している人が明らかに説明会運営会社の人でした。

 

「なぜこの会社の人は来なかったのだろう?」

「なぜ外注したのだろう?」

と考えることも就活の会社選びにおいてヒントになりますね。

 

学生の方はどんな人たちだったかというと、こちらも大半が普通の学生でした。

社員さんから何か振られても完全に置物と化していた学生がいたり、(サクラ?)

シャツの第3第4ボタンが開いていた女子学生が居たり、(故意?)

30分間ずっと虚空を見つめ続けた学生なども居ましたが、(就活疲れ?)

ヤンキーとかスキンヘッドとか明らかな別人種はいませんでした。

 

思ったより、企業も学生も本当に普通でした。

ちょっとだけ普通の枠からはみ出た例もありましたが、

挙げた以外にはありませんでした。

 

 

3.このイベントの趣旨は何だろう?

 

「あぁ、面白かった!疑問解決!」では行った意味としては薄いです。

なので、ここでは趣旨についてちょっと考察してみようかと思います。

 

a.なぜ交通費や図書カードを支給するのか

 

イベントでの説明は、だいたいこんな感じです。

 

「就活大変だよね!交通費でお金なくなるよね!バイトしてる暇もないし金欠なるよね!助けてあげたいからこの合説では交通費支給するよ!多かったり少なかったりするかもだけどいちいちやるの大変だから許してね!(意訳)」

 

現実はこうなのかなと思います。

「金銭支給がないと学生が来ないレベルの会社が集まっているから。」

「この時期に合説行く学生は消耗している。*1お金で釣って学生を呼ばないといけない」

「お金がもらえる合説というブランディングを行う」

 

いづれにしろ、支給するメリットよりもデメリットの方がはるかに大きいのではないでしょうか。

並べて見てみます。

 

メリット

学生が集まりやすい。

・学生が集まりやすい合説と判断されることにより出展企業が集まりやすい。

・合説に来ることの心理的障壁が無くなり、個人情報収集が容易。*2

・お金目当てでもまず来させることで、そこから先に繋げられる学生を見つけやすい。

 

デメリット

・お金目当ての学生の存在。

・お金目当てによる無反応、興味を示さないといった学生の存在。

・学生の個人情報を収集して連絡しても全く反応が無い事案の発生。

 

つまり、「人を集める事」がゴールになってしまっているように見えます。

合説の目的って、人を集める事ではないですよね?

学生と企業がマッチングしやすくするきっかけを作る場であり、

ファーストコンタクトの場であるべきだと思います。

 

「知らなかった会社だけど合説で知れた、選考進んでみたら案外自分と合ってた」というきっかけを作る場であるべきではないでしょうか。

 

b.企業にとってのメリット・デメリット

前段のメリットデメリットは、イベント開催することに対する考察でした。

続いて、出展企業視点でのメリットデメリットを考えてみます。

 

メリット

・学生が集まることでより広く自社を知ってもらえる。

・学生の個人情報を収集し、説明を聞いてもらい、興味を持ってもらう。

・学生が集まりやすい場に出ることで採用活動に初動で失敗したor不足した数をそろえやすい。

 

学生の母数を確保して選別するイメージでしょうか。

それが「交通費支給」でより一層効果が見込まれそう、なのかな。

 

デメリット

・お金目当ての学生の興味を惹くことが難しい。

・学生の個人情報を集め連絡を取っても次につながらない場合の徒労。

 

払拭しきれない「お金目当て学生」の存在。

徒労については3月に行われた大型合同説明会でも同じような現象が起きそうなので、本イベントだから起こるとは言えないかもしれません。

 

交通費支給イベントだからと言って、企業の出展コストが大きいようには思えませんから、コスト的にはデメリットは無いのかなと思います。

この点はイベント企画会社のHPに記載がなかったのでわかりませんが、大手の方が高額なイメージです。

 

c.イベント会社のメリット・デメリット

 

今度はイベント会社が出展企業へ売り込むときにありそうなメリットデメリットです。

 

メリット

・「交通費支給だから沢山学生来ますよ!」というアピールが出来る。

・「交通費支給イベント」という学生へのアピールでイベント自体の認知度の拡大と来年以降も契約してもらえる企業をつかむ可能性。

 

運営会社の親会社、設立が平成2年でした。

認知度の低さが弱みということでこのような取り組みをはじめたのかもしれません。

 

デメリット

・出展企業が実際に学生の質の低さに気づく事による信頼低下。(お金目当て学生の実情)

・学生に支給する交通費代の捻出コスト。

・参加企業の質による学生からの信頼低下。

 

信頼低下は大問題ですよね。

新卒の就職活動に関する市場はほぼ2強状態。

残ったパイを奪い合う市場ですから、そこで信頼低下を引き起こせば即退場まであり得るのではないでしょうか。

 

過去も同様のイベントを開催していたか調べたのですが出てきませんでした。

マイ〇ビなんかは年度が替わるごとに前年度のサイトは消えますが、同じシステムの可能性はあります。

過去にも同じイベントが開催されていたとしたら、いつから開始していてイベントのブランディングはできているのかとか、出展企業は満足しているのかとか、推測できるのですが・・・

 

d.学生のメリット・デメリット

最後に参加学生視点でのメリデメです。 

 

メリット

・合説来たらお金貰える。

・これから就活始める人は広く会社を見れる。2周目の人は気合を入れなおす機会に。

・参加学生=ライバルを見れることによる戦略立てが容易。

 

デメリット

・(出展企業が不良企業という場合)口先だけの綺麗ごとに振り回されてしまう。

・志望度の無い企業からも連絡が来るわずらわしさ。

・お金をもらって満足してしまい、目的を見失ってしまう可能性がある。

 

普通の合説で受けるメリットデメリット+お金 というイメージでした。

そもそも何をしに合説に行くか、という課題がありますね。

 

実は僕は今回が人生初の合同説明会でした。

 

特に大手志向ではなく、まだ就活について考えられていなかった時に説明会シーズンに突入したことにより、「行かない」という決断をしていました。

あとはインフルエンザとかもらいたくなかったので・・・

 

「とりあえず行ってみる」では、得るものもなく大量のパンフレットに苦しみ企業の甘言に惑わされ悩んでしまいます。

 

19卒以降の皆さんは合説に行く意味を今一度考えてみて下さい。

 

4.総評的な物

 

僕は結局4社回り、所要時間は2時間半弱でした。

正直、「合説」というより「時給2500円のサクラのアルバイトに行った」感覚です。

 

30分座って会社の説明を聞く。きれいごとしか言わない。質問する。きれいごとしか言わない。景品引き換えする。行列非効率作業を目の当たりにする。

ストレスがたまる場面がかなり多かったです。

 

 

企業ブースを回るスタンプラリーとか、ちょっと合説の目的とは外れてしまいますよね。

「目当てじゃない会社に行って新たな発見あるかもよ!」という意図があるのだとは思いますが、果たしてこれは正しくワークしているのかどうか疑問です。

 

興味本位で飛び込んだお話でした。

 

 

*1:3月解禁6月内定解禁からの流れで就活1周目を何らかの理由で失敗してしまった学生を指して「消耗している」と呼称。

*2:企業から学生にアプローチするにはまず何らかの方法でメールアドレスや電話番号といった連絡先を集める必要がある。